第113回歯科医師国家試験 C78

1→歯根嚢胞であれば、歯根膜腔に連続した透過像を示す。本症例では透過像ではなく不透過像で示される。

2→歯原性粘液腫では樹枝状（テニスラケット状）のエックス線不透過像を呈する。本症例では否定的である。

3→エナメル上皮腫であれば、典型的なナイフカット像があると思われる。本症例では否定的である。

4→線維性骨異形成症では境界不明瞭な不透過像を示す。CT所見などから本症例は境界明瞭な不透過像を呈するため否定的である。また典型的なすりガラス様の不透過像は認めず否定的である。

5→セメント質骨形成線維腫〈骨形成線維腫〉は境界明瞭なエックス線不透過像を示す。しかし、時期により不透過性も示す時期、透過性と混在する時期、透過像を示す時期があり透過像だけを頼りに診断は難しく病理診断が望まれる。他の選択肢を除外して一番妥当と思われる。