第116回国家試験 D90
20 歳の女性。口唇の突出感を主訴として来院した。口腔内写真(別冊No. 34)を 別に示す。第一大臼歯の咬合関係は両側 Angle I級である。検査の結果、available arch length は上顎 70.0 mm、下顎 64.0 mm、Spee 彎曲の深さは 0 mm であった。
左右歯冠近遠心幅径の計測結果の平均値を表に示す。
FMIA は 47.0 度であった。上下顎両側第一小臼歯を抜去し、切歯を後退させることとした。
目標とする片側の下顎大臼歯の近心移動量を求めよ。
ただし、FMIA の基準値は 57.0 度とする。なお、小数点以下第2位の数値が得られた場合には、四捨五入すること。
正解!
不正解 答え 2
1→解説2参照。
2→最初にTotal discrepancyの算出を行う。Arch length discrepancy+Head plate correction+Speeの彎曲の合計である。Arch length discrepancyはavailable arch length-required arch lengthで求める。required arch lengthは下顎12歯歯冠幅径合計70.0mmである。したがってArch length discrepancy=64.0-70.0=-6.0となる。Head plate correctionはFMIAが47.0度であることから基準値までの-10度に定数0.8をかけて-8.0mmとなる。Speeの弯曲は0mmであることからTotal discrepancy=-6.0+[-8.0]+0=-14.0とわかる。下顎は両側第一小臼歯を抜歯するため16.0mmのスペース確保が可能となる。左右大臼歯の近心移動に使用できるスペースは16.0-14.0=2.0mmとなる。片側の移動量はその半分の1.0mmとなる。
3→解説2参照。
4→解説2参照。
5→解説2参照。